気象リスクの変化と「防災の日」に向けた備え ('26/8/10号)

2026年は、気象庁が6月にエルニーニョ現象が発生していると発表しており、今後の台風の動向にも注意が必要な年といえます。エルニーニョ現象が発生しても、台風の年間発生数が必ずしも増加するわけではありません。一方、気象庁の統計によると、エルニーニョ現象の発生時には、台風の発生位置が平常時より南東寄りとなる傾向があり、夏には台風の最盛期における中心気圧が低くなり、寿命が長くなる傾向も確認されています。そのため、台風が発生後に長距離を移動し、強い勢力を維持するケースには注意が必要です。

1923年の関東大震災に由来する9月1日の「防災の日」を迎えるにあたり、改めて台風や豪雨、地震などの自然災害に備え、家庭での防災対策を見直しておくことが重要です。

日常用品から高機能な「防災用品」への広がり

近年、線状降水帯による局地的な豪雨や大規模停電など、ライフラインに大きな影響を及ぼす災害が発生しています。こうした状況を背景に、家庭の防災対策では、保存水や長期保存食、簡易トイレ、モバイルバッテリーといった基本的な備蓄に加え、停電時の電力確保に役立つポータブル電源や、電気が使えない状況でも調理に利用できるカセットコンロなどへの関心も高まっています。

また近年は、災害時だけに使用する専用品を備えるだけでなく、平常時にも便利に使えるものを災害時にも活用する「フェーズフリー」という考え方も広がっています。例えば、普段から使用しているモバイルバッテリーやカセットコンロなどを、非常時にも活用できるようにしておくことで、特別な防災用品を大量に買いそろえる負担を抑えながら、日常生活と災害への備えを両立できます。

「ローリングストック」で無理なく継続的な備蓄を

災害への備えで重要なのは、台風や大雨などの災害が迫ってから慌てて買い物をする「駆け込み買い」に頼るのではなく、平常時から計画的に備蓄を進めておくことです。

その代表的な方法が「ローリングストック」です。これは、普段から食べたり使用したりする食品や飲料水などを少し多めに購入しておき、消費した分をその都度買い足すことで、一定量の備蓄を維持する方法です。消費者庁や農林水産省なども、家庭で無理なく備蓄を続ける方法の一つとしてローリングストックを紹介しています。

飲料水や食料については、3日から1週間分を目安に備えておくことが推奨されています。災害はいつ発生するか分からないからこそ、特別なことをするのではなく、普段の買い物や生活の中に防災を組み込んでおくことが、継続的で実践しやすい備えにつながります。