日本の年金は崩壊する?('26/5/25号)
日本の年金制度は、世界的に見ても決して高い評価を受けているわけではありません。米マーサー社とCFA Instituteが公表する「Mercer CFA Institute Global Pension Index 2024」では、日本は調査対象48か国中36位、総合評価は「C」とされています。特に課題視されているのが「持続性(Sustainability)」で、少子高齢化の進行や将来的な財政負担の増大が懸念されています。実際、日本の合計特殊出生率は2023年に1.20まで低下し、平均寿命は世界最高水準にあります。こうした人口動態の変化が、年金制度の長期維持に大きな影響を与えているのです。

年金を補完する制度拡充
こうした背景から、日本政府は「公的年金を補完する自助努力」の支援を強化しています。その代表例が、新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の制度拡充です。2024年から始まった新NISAでは、非課税保有期間が無期限化され、年間投資枠も大幅に拡大されました。また、iDeCoについても拠出限度額の見直しが進められており、老後資産形成を後押しする制度設計へと移行しています。これは、長寿化社会において「公的年金だけで老後資金を賄うことが難しくなる可能性」に備える政策的な流れといえます。
老後に向けた自発的な資産形成
今後は、「老後は国が全て支えてくれる」という時代から、「国が用意した優遇制度を活用しながら、自ら資産形成を行う」時代へと変化していくでしょう。特に長期・積立・分散投資は、時間を味方につけながらリスクを抑えやすい資産形成手法として広く推奨されています。将来への不安が高まる今だからこそ、制度を正しく理解し、早い段階から無理のない範囲で資産運用を継続することが、安定した老後資産づくりの重要な鍵になると考えられます。



