過去最高値「チキンショック」が発生 ('26/7/6号)
これまで“家計の救世主”や“庶民の味方”として食卓を支えてきた鶏肉の価格が、かつてない高騰を見せています。農林水産省の食品価格動向調査によると、2026年6月時点の国産鶏もも肉(100gあたり)の全国平均小売価格は155円に達し、比較可能な2003年以降での「過去最高値」を記録しました。物価高が長期化するなかで、比較的割安な鶏肉への節約志向による需要が集中し、国内の需給逼迫が一段と強まっています。

鶏肉価格を押し上げる「3つの構造的要因」
この深刻な価格高騰の背景には、生産現場を直撃するマクロ経済的・環境的なトリプルパンチが存在します。
- 飼料価格・燃料費の持続的な高騰と円安の影響:国産鶏であっても配合飼料の多くを輸入に依存しているため、記録的な円安相場が直撃し、生産コストを大幅に押し上げています。
- 世界的な供給網の混乱:主要な輸入元であるブラジルでの鳥インフルエンザ発生による一時的な供給懸念や、国際的な「買い負け」リスクが卸売価格をさらに押し上げています。
- 近年の深刻な猛暑に起因する生育不足:夏季の記録的な高温によってニワトリの食欲が落ち、出荷基準の体重に達しない「生育遅延」が全国の養鶏場で多発し、出荷量が減少しています。 この直撃を受けた居酒屋チェーンや唐揚げ専門店などの外食産業では、死活問題として相次ぐ値上げやメニュー構成の変更を余儀なくされています。
長期化する高止まりへの対策
専門家のアナリスト予測によると、配合飼料費の大幅な下落や円安の急速な是正といったポジティブな要素が乏しく、2026年後半以降も鶏肉価格の高止まりは長期化する見通しです。これからは「鶏肉=いつでも安価に入手できる」というこれまでの固定概念を改める必要があります。家計の負担を軽減しつつ必要な栄養価を維持するためには、豚肉の特売品への代替や、豆腐・納豆などの大豆製品、さらには技術革新が進む植物由来の代替肉などを戦術的に組み合わせる、効率的な「たんぱく質マネジメント」への移行が求められています。



