「NISA貧乏」にならない為に ('26/4/20号)
2024年に大幅拡充された新NISA制度は、年間最大360万円・生涯投資枠1,800万円という非課税メリットにより、個人の資産形成を後押しする制度として急速に普及しています(出所:金融庁)。一方で、SNSを中心に「NISA貧乏」という言葉が広まりつつあります。これは非課税枠を最大限活用しようとするあまり、生活費や自己投資を過度に削減し、家計の持続可能性を損なう状態を意味しているようです。
過度な投資は禁物
この現象の背景には、「投資額が多いほど良い」という単純化された情報の拡散があります。しかし、資産形成の基本はあくまで長期・分散・積立であり、無理のない資金計画が前提です。例えば日本証券業協会などの調査でも、投資未経験者の不安要因として「生活資金の不足」が上位に挙げられており、過度な投資は継続性を損なうリスクがあります。投資は本来、生活の質を高めるための手段であり、積立額そのものが目的化することは本質からの逸脱といえます。

持続可能な資産形成を
さらに重要なのはリスク管理の観点です。総務省の家計調査によれば、平均的な世帯でも突発的支出は年間を通じて一定頻度で発生しています。一般に生活防衛資金として生活費の3〜6か月分を確保することが推奨されており、これを投資に回すのは合理的とは言えません。したがって、投資額は手取り収入の1〜2割程度を目安に、自身のライフスタイルに応じて柔軟に設定することが重要です。現在の生活と将来の資産形成のバランスを保つことこそが、持続可能な資産形成の本質といえます。



