超高級寿司 — アメリカのオマカセ事情 ('25/11/10号)

ここ数年、米国では「おまかせ(omakase)」スタイルの寿司が急速に広がっています。専門調査会社の業界分析も、都市部を中心にオマカセを含む日本料理店の増加を指摘しており、体験型ダイニングへの需要拡大が背景にあります。

実際、サンフランシスコやニューヨーク、アトランタなど主要都市では小規模で高級なオマカセ店の新規出店が相次いでおり、食通やミシュラン層の注目を集めています。

「お手頃オマカセ」でも1万円から

価格帯は幅が大きく、10〜12貫を中心にした“ミニ・オマカセ”で約65〜150ドル(約1万〜2万5千円)という手頃な設定もあれば、材料や調理の手間、席数の少なさを反映して400ドル超(6万円超)、さらにはチップ込みで1,000ドル超(15万円超)、高級店では約1,200ドル(約19万円)という超高級コースも存在します。

ニューヨークでは400ドル以上のオマカセを提供する店が複数リストアップされており、消費者の選択の幅は広がっています。また、都市圏では「短時間で提供する高回転ミニオマカセ」など新しいフォーマットも登場し、体験の多様化が進んでいます。

「オマカセ格差」が広がっている?

一方でコスト面の逆風も見逃せません。2024〜25年にかけて導入された対日関税や輸入関税の影響で、日本から輸入する高級魚や調味料のコストが上昇しており、ニューヨークやヒューストン等の飲食店では価格転嫁やメニュー改定が既に報告されています。つまり、オマカセの“体験価値”はますます高まり需要も拡大しているものの、原材料コストの上昇は価格帯を押し上げる要因となっており、今後も「お手頃オマカセ」と「超高級オマカセ」の両極化が続く可能性が高いと言えます。