株価好調時に注意すべき落とし穴 ('25/9/15号)
近年の日本株は歴史的な高値圏で推移しており、日経平均は2025年夏に初めて43,000台を突破し、2025年9月12日の終値では44,768円をつけました。直近の上昇は、海外投資マネーの流入や米国市場の堅調さ、そして景気・財政期待などが背景にあります。長期チャートを追うと、ここ5年で約92%の上昇となっており、個人投資家の関心も高まっています。

個人投資家をつけ狙う悪徳勧誘
一方で、相場が好調な局面ほど「投資を餌にした詐欺」が活発化するリスクも高まります。実際にSNSや動画プラットフォーム(Instagram、YouTube、LINE、X 等)を経由した接触から被害が拡大しており、2025年前半だけでもSNS経由の投資詐欺は多数報告され、被害額が数百億円規模に上るという集計があります。
手口としては、著名投資家や有名人の画像・動画(あるいはAIで合成した「ディープフェイク(偽の画像や動画)」)を勝手に用いて「推奨銘柄公開」や「必勝ノウハウ」を謳う広告で勧誘する事例が増えています。米国の証券監督当局や消費者保護機関もSNS経由の投資詐欺を警告しており、著名人の偽動画を用いた詐欺事例も報告されています。
金融庁の登録業者リストの確認を
対策としては、まず業者の登録確認が有効です。
日本では金融商品取引業等を行う場合、原則として金融庁(財務局)に登録することが法律で義務づけられており、無登録業者による勧誘は違法で罰則対象になります。疑わしい勧誘を受けたら、業者名や広告文面をもとに金融庁の登録業者リストや「無登録業者の公表リスト」を確認し、必要なら金融庁のSNS詐欺受付窓口や最寄りの消費生活センター・警察に通報してください。
また、「仕組みが不明」「高利回りを過度に強調する」「出金に制限をかける」等の特徴がある案件には投資しないのが最も安全です。信頼できる情報源で裏取り(公的機関の告知、主要報道、監督当局の警告)を必ず行ってから判断する習慣をつけましょう。
