家事の分担、「夫婦平等」がついに過半数超え。理想と現実のギャップとは? ('25/5/26号)
「夫婦で家事は半分ずつ」。そんな理想がついに多数派になりつつあります。
2024年に一条工務店が実施した 「共働き夫婦の家事シェアに関する意識調査」では、理想の家事バランスとして男女とも「50:50」が最多となり、回答者全体でも過半数が「平等」を支持しました。
2018年時点で同様の質問に「平等」と答えた人は約3割にとどまっていたため、この6年で意識が大きく変わったことが分かります。
それでも現実は「妻53%:夫15%:平等25%」
ところが同じ年にソニー生命が行った「20代・30代共働き夫婦の生活意識調査」では、実際に家事を主に担うのは妻53%、夫15%、平等25%。理想と現実には依然ギャップが残っています。
妻側の不満も根強く、約7割の女性が「自分の家事負担が多い」と感じているというデータもあるほどです。
時間で見ると差は「約3時間」
総務省「令和3年社会生活基本調査」によれば、1日あたりの家事関連時間は男性51分、女性204分(約3時間24分)。
20年前より差は30分縮まったものの、依然大きな開きがあります。
下のグラフはその男女差を可視化したものです。

出所: 総務省「令和3年社会生活基本調査」
行政も後押し――広島県「男性活躍推進条例」へ
こうした状況を変える動きも加速しています。
広島県は2025年2月、都道府県として全国初となる「男性の家庭生活における活躍推進条例」の制定方針を発表。男性の家事・育児時間を増やし、女性の負担軽減と出生率向上を同時に狙う施策として注目されています。
まとめ
- 理想:「家事は50:50」が過半数へ。
- 現実:平等分担は25%、妻が担う割合が依然5割超。
- 時間差:男性51分 vs 女性204分/日。
- 政策面:広島県などが男性家事参加を条例で後押し。
理想が数字として現れはじめた今こそ、「誰が何をどこまでやるか」を夫婦で具体的に話し合うタイミング。お互いにストレスの少ない家事分担を探してみてはいかがでしょうか。
