中東情勢と資産防衛 ('26/3/16号)
中東情勢の緊迫化は、日本にとって決して遠い地域の問題ではありません。資源エネルギー庁によれば、日本は原油輸入の9割超を中東に依存しており、エネルギー安全保障の観点から中東情勢の影響を極めて受けやすい構造にあります。とりわけ、ペルシャ湾と外洋を結ぶホルムズ海峡は世界の石油輸送の要衝であり、この海域で軍事的緊張が高まるだけでも、原油の供給懸念や輸送コスト上昇を通じて国際価格が変動しやすくなります。実際、日本の第7次エネルギー基本計画でも、中東情勢の悪化は日本の安定供給に直接影響しうるリスクとして明記されています。

ガソリン価格の高騰
足元の市場でも、その影響はすでに表れています。ロイターによれば、足元のブレント原油先物は1バレル100ドル超で推移しており、ホルムズ海峡をめぐる混乱が価格上昇要因として意識されています。ただし、「完全封鎖」が恒常化しているとまでは言い切れず、航行停止や通航制限、保険料上昇、船舶の迂回・待機などが複合的に供給不安を強めている状況です。こうした原油高は、日本国内ではガソリン価格の上昇として波及し始めており、先週の報道ベースでは全国平均が1リットル160円台(レギュラー)まで上昇し、さらに値上がりが警戒されています。
リスクへの備え
原油価格の上昇が長引けば、家計への影響は燃料費だけにとどまりません。発電コストや物流費の上昇を通じて、電気料金、食品価格、日用品価格など幅広い分野にコスト増が波及し、再びインフレ圧力を強める可能性があります。日本のように資源輸入依存度の高い経済では、地政学リスクがそのまま生活コストに直結しやすいのが現実です。こうした局面では、短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、家計の固定費管理、生活防衛資金の確保、分散投資の徹底といった基本的な「資産防衛」の視点が、これまで以上に重要になると言えるでしょう。



