世界の幸福度 ('26/2/16号)
日本は平均寿命が男女ともに世界最高水準にある「長寿大国」として知られ、経済面でも依然として世界有数の規模を維持しています。国際通貨基金(IMF)の統計によれば、日本の名目GDPは約4兆ドル規模で、2025年前後も世界第4位の経済大国に位置しています。医療水準の高さや社会インフラの充実、治安の良さなど、客観的な生活環境の指標では高い評価を受けており、物質的豊かさという観点では成熟した先進国の典型例といえるでしょう。
日本の幸福度はかなり低い?
しかし一方で、「幸福度」という主観的指標では必ずしも高い順位とは言えません。国連系研究機関などがまとめ、英オックスフォード大学ウェルビーイング研究センターが分析に関与する『世界幸福度報告書2025』では、日本は147か国中55位と中位にとどまりました。また、米ハーバード大などの研究チームによる世界22ヵ国を対象とした幸福度調査では、日本は最下位となりました。幸福度はGDPだけでなく、社会的信頼、自由度、人生選択の余地、社会的支援など複数要素から評価されます。長時間労働や将来不安、心理的余裕の少なさが、日本の評価を押し下げる要因としてしばしば指摘されています。

調査では測れない幸福度
もっとも、幸福度調査は自己評価式アンケートを基にしており、日本人特有の「謙虚な回答傾向」が順位を低く見せている可能性も研究者から指摘されています。文化や価値観によって幸福の捉え方は大きく異なり、単純なランキングだけで生活満足度を測ることはできません。経済的豊かさと主観的幸福の間には必ずしも直線的な関係がないことが明らかになりつつある現在、重要なのは統計上の順位よりも、日常の中で感じられる小さな満足や安心感を得られることが大事なのかもしれません。



