日本経済にインフレ定着? ('26/2/2号)
東京都の家賃は最近、30年ぶりの速い上昇ペースで推移しており、従来ほとんど変動がなかった「岩盤品目」とされる家賃の値上がりが顕著になっています。総務省の「消費者物価指数(CPI)」によると、東京都区部の民営家賃は前年同月比で1.7%を超える上昇率となり、1990年代以来の高水準となっています。家賃は生活費に直結するため、こうした動きは単なる住宅市場の変動以上に、広く生活者の支出にインパクトを与えています。上昇要因としては建築資材価格や修繕費の高騰、金融環境の変化などが指摘されています。
インフレだとお金の価値が低下
この家賃上昇は、インフレが日本経済に定着しつつある兆候としても注目されています。インフレとは一般に物価上昇を意味しますが、背景には「お金の価値が相対的に低下する」という側面もあります。つまり、同じ金額で購入できるモノやサービスの量が減少するということです。特に家賃のように長年安定していた費用項目が上がる局面が続くと、生活コスト全体への影響が一段と大きくなります。物価指数や住宅費の動向は、賃金や家計消費とのバランスを考えるうえでも重要な指標となっています。

ハイパーインフレとスタグフレーション
極端なインフレ例として歴史に残るのが、第二次世界大戦後のハンガリーで発生したハイパーインフレです。1946年には通貨「ペンゴー」の価値が急落し、最高額面の銀行券は100京(10^20)ペンゴーに達しましたが、実際の購買力は極端に低く、事実上価値を失っていました。このペンゴー高額紙幣は歴史上発行された中で最大の額面としてギネス世界記録に認定されています。
また、去年くらいからときどきニュース記事などで見かけるようになった「スタグフレーション」は、物価上昇(インフレ)と同時に景気停滞(賃金下落・失業増)になる状態を指します。
ハイパーインフレやスタグフレーションなどが将来日本で起こらないことを願いますが、適切な金融・物価政策の継続がいかに重要かを痛感させられます。



