クレーンゲームで生き残る街のゲーセン ('26/1/19号)
1990年代に「若者文化の象徴」として黄金期を迎えたゲームセンター(ゲーセン)ですが、最近はその数が大きく減少しています。帝国データバンクの調査によると、過去10年間で約8,000店ものゲームセンターが閉店・廃業しており、直近5年間では店舗数が3割減少したとの報告もあります。背景には、スマホゲームや家庭用ゲーム機の普及、運営コストの上昇といった構造的な要因があり、アーケードゲーム中心の「街のゲーセン」は厳しい経営環境に直面しています。

外国人にも人気のクレーンゲーム
そんな中、業界で唯一拡大傾向にあるのが「クレーンゲーム」です。かつては売上の一部に過ぎなかったクレーンゲームは現在、アミューズメント施設の収益の主要部分を占めるまでに成長し、「UFOキャッチャー」などの人気機種は業界全体の収益を牽引しています。実際にクレーンゲームが売上の6割以上を占めるとされ、景品の多様化やファミリー層の利用増加、観光客の外国語対応サービス導入など、利用者の裾野も広がっています。
ヒトの心理をくすぐるゲーム
人気の背景には、ゲーム性だけでなく社会的・心理的な要因もあります。ある市場調査では、クレーンゲームを楽しむ利用者の62%が「家族や子どもと一緒に来店」しており、単独利用者も一定数いることが分かっています。これは、アーケードゲーム全体が若者文化からファミリー層向けレジャーへと変化していることを示しています。また、「少額でも繰り返し遊ぶ」「取れるまで続けたくなる」といった心理は、いわゆる「サンクコスト効果」と共通し、投資で値下がり株、いわゆる「塩漬け株」を手放せない心理と少し似ています。こうしたヒトの心理が、クレーンゲーム人気を支えている側面もあるのです。




