若者の憂鬱 ─ AI失業と生活苦 ('25/10/27号)
アメリカでは、若年層の雇用環境において “AI・自動化による雇用リスク” が注目されています。実際、米国労働省のデータによれば、25〜29歳の失業率は2025年8月時点で 5.0% と報告されています(全体平均は約4.2%)。このような数値の背景には、データ入力や資料作成、定型的な顧客対応といった業務が、AIや自動化によって比較的早期に代替されるという構図があると分析されています。

学生ローンが若者を圧迫
もう一つの深刻な課題が「学生ローン」です。2025年第2四半期の時点で、アメリカの学生ローン残高は 約1.64兆ドル(約250兆円以上) に達しています。トランプ政権が2024年に学生ローンの返済猶予措置を正式に終了させたことで、多くの若者が返済の再開に追われています。一方で、90日以上の延滞(重大な滞納)となっているローンの割合は 10.2% という報告があります。こうした状況は、パンデミック期間中に支払い猶予措置が取られていた反動として、返済再開後に滞納件数が急増していることを示しています。
インフレと生活コストの上昇が追い打ち
さらに、生活費の上昇は若者の家計をさらに圧迫しています。特に住宅賃料、光熱費、食料品の価格上昇が目立ち、「働いても余裕がない」という若者の声が増えています。こうして「就職が難しい」「学生ローンが返せない」「生活コストが上がる」という三重苦の構図が出来上がっています。この構造的な歪みは若者の個別問題にとどまらず、消費低迷や経済停滞を通じてアメリカ経済、ゆくゆくは世界経済全体にまで波及する可能性も指摘されています。




