日本人に愛され続ける「最強果実」バナナ ('25/10/6号)

朝食の定番やデザート、さらにはスポーツ時のエネルギー補給としても幅広く活躍する果物といえばバナナです。ヨーグルトやシリアルとの相性も抜群で、手軽に栄養を摂れる万能食材として親しまれています。実際、農林水産省や各種調査によると、バナナは20年以上にわたり「日本人が最もよく食べる果物ランキング」で第1位を独走中。その人気はリンゴやみかんといった他の果物を大きく引き離しており、日本の食卓に欠かせない存在となっています。


経済性と栄養価の高さが支持される理由

バナナの魅力は、その手軽さと経済性に加え、栄養バランスの良さにあります。1本あたり約80〜100kcalと適度なエネルギー量でありながら、食物繊維、ビタミンB群、カリウムが豊富。特にカリウムはナトリウムの排出を助け、高血圧予防に役立つとされています。さらに、糖質が素早くエネルギーに変わるため、スポーツ選手や運動前後の栄養補給にも最適。安価で手に入りやすく、栄養面でも優秀なことから、バナナは「最強果実」と呼ばれるにふさわしいのです。

バナナの価格差を生む「標高」の秘密

スーパーに並ぶバナナの価格は、100円前後の手頃なものから、倍以上の値段が付くものまでさまざまです。この違いは産地や糖度ではなく、実は「栽培される標高」にあります。標高の高い地域では気温が低いため、バナナはゆっくりと時間をかけて育ちます。その結果、果肉は濃厚で甘みが強くなる一方で、栽培日数が長くなる分コストが上昇し、高値で販売されるのです。「高地栽培バナナ」と表記された商品は、まさにその品質の証。普段食べ慣れた低地栽培のものと食べ比べてみると、その違いを実感できるでしょう。

写真出典:ドールWebサイト (https://www.dole.co.jp/magazine/0001)