米中対立がさらに激化?トランプ政権、関税を“90日間停止”へ ('25/4/14号)
アメリカが中国に対して合計145%にも及ぶ追加関税を発動したことに対し、中国もすかさず報復関税を発表。両国間の緊張が一段と高まり、まさに“米中貿易戦争”の様相を呈しています。

一方で、トランプ政権は報復を行っていない75か国以上に対しては、関税の適用を90日間一時停止する措置を発表。中国に対しては強硬な姿勢を保ちつつ、他国には柔軟に対応するという戦略的な動きを見せています。
もくじ
中国の姿勢は予想外に強硬
中国側の強い反発は、トランプ政権にとってある意味“想定外”だったとも言えます。第2次政権に入ってからのトランプ氏の関税政策は、以前よりもかなり強硬なものですが、それに負けないほど中国も真っ向から対抗しているのです。
中国経済は不動産不況などの影響で足元が不安定と言われており、従来は米国との対立を避けると見られていました。しかし、習近平国家主席は経済よりも安全保障を重視しているとされ、景気対策を積極的に使いながらでも対抗姿勢を貫こうとしています。
90日間の猶予に込められたメッセージ
4月9日、トランプ大統領は報復を行っていない国々に対して、関税の適用を90日間停止すると突然発表しました。これは「中国に対しては厳しく、他国には柔軟に」といった差別化による外交的メッセージとも言えるでしょう。
また、報復関税を検討している国々に対する“けん制”の意味合いもありそうです。この90日間でアメリカは各国と協議を進め、その結果を踏まえて個別に新しい関税率を発表する見込みです。
とはいえ、この方針が固まるまでは、国際金融市場も不安定な状況が続くことになりそうです。今後の展開から目が離せません。